2011年2月アーカイブ
入学試験問題を、インターネットを使って、他の人に流して、回答を貰うという事例がニュースで報道されています。
「だからITは厳格に取り締まらないといけない」
多くの方がそう思われたことと思います。
また、別のテレビ番組を見ておりますと、会員を募って通信販売業務を行っている会社の会員名簿が流出して名簿業者の手に渡り、名簿データが売り買いされて、会員に卑猥なメールが届くようになったりしたため、その会社が多大な被害を受けたという話も聞きます。
驚くようなケースとしては、自社の社員の給与情報などの個人機密情報を含む名簿を、よりによってライバルメーカーに横流しして、その犯人を含む多くの社員が一斉にその会社に転職したという話もあるようです。
これらは、パソコンのマウスから軽く一回マウスクリックするだけで大量の機密情報が流れ出すので、かんたんに犯行が行われるし、他の人にはバレない、証拠も、データを消してしまえば残らないとされるため、大きな問題になっています。
実は、パソコンや携帯電話には、消したと思われるデータも内部に残っていることが多いのです。ウインドウズの「ごみ箱」から誤って消してしまったデータを、ハードディスクを詳細に解析することで高額で復活させるサービスがあります。また、それを自分自身でも容易に行われるように、「ごみ箱」から消したデータをもう一度貯めておく「第2のごみ箱」を作ってくれるソフトも存在します。
八百長疑惑事件で相撲界の問題が発生し、その証拠調べで携帯電話のメール記録を警察が調べたことがありますが、消したメールも特殊な調査をすると、ちゃんと読み取れる場合があります。
色々手はあるのですが、パソコン・携帯・スマホなどのコンピュータには、データが残ってしまっていると思っておいてください。
実際には苦労が伴うので簡単にデータを盗む人はいませんが、労力を厭わなければ、捨てたり置き忘れたこれらの装置から様々なデータは盗まれる危険があります。
知識として覚えておかれるとよいと思います。
このため、一方では、完全にデータを消去するためのツールも存在します。が、そんなものを買わなくても、データが記録されている部分を物理的に破壊すればデータは絶対に読みだせません。
たとえば、パソコンのハードディスクを抜き出して、五寸釘で穴をあければOKです。
もちろん、私は証拠隠滅を薦めているわけではなく(笑)、お仕事などで重要な情報を扱っている方への参考になれば幸いです。
前述の例では、犯人に気づかれることのないように、休日にその人が使用しているパソコンを解体して情報を不正に送った証拠となるデータを写し取り、また元に戻しておく、という技を使った調査会社の話でした。
使い続けているパソコンであれば、データの完全消去はできません。
ところで、カンニングは、IT機器の問題ではなく、現場の試験の監督が不充分だったことが問題の本質だと私は思っています。携帯電話以外でも昔からカンニングの方法はいろいろありました。携帯の持ち込みを禁止するとか、それだけを焦点にして議論するのはどうなのでしょうか。
犯行にたまたま使用されたパソコンだけに焦点が当てられる傾向がありますが、やろうと思えば幾らでも方法はあるでしょう。
問題の本質を見失わないで頂きたいといつも感じます。
最近のコメント
HIN on iOS 5.0: あ~HIN でんで
STZ on 要するに: 中村睦さんお久しぶり
中村 睦 on 励ます: ゆきさん 難しい問
定満 有紀 on 励ます: 人を勇気付ける、励ま
中村 睦 on 励ます: 自分の記事に、自分で
中村管理人 on みなさん はじめまして。: こちらにご訪問された