「ツキの正体」という本を読んで

副題が、「運を引き寄せる技術」。作者は、桜井章一という方で、麻雀の世界で、非常に強くて有名な方なのだそうだ。

 だれでも、ツキはほしい。
 麻雀という勝負事の世界は、流れてくるツキを常に意識している世界なので、そういう感覚が研ぎ澄まされている人が強いのだろう、とまず思うが、勝負師にこういう本をまじめなタッチで書かせるということは、いったいどういうことか?と思うと同時に、勝負はツキか?と思ってしまう。

 彼によると、「ツキは、突然湧いてくると思われがちだが、実は必ず人を選んでいる。それは卓の上をさまようツキを見れば明らかだ」。 へぇ~、ツキは、さまよっているんだ。

 簡単に言うと、彼の考えでは、

ツキは、以下の3種類がある
 「天運」。天から授かる。何の理由もなく突然降って湧くように。宝くじが大当たり、逆に事故に遭うとか。本人の努力に無関係。

 「地運」。場所に運が憑くのだそうだ。確かに勝負星というのはあるし、時刻方角場所の運はある。時間とともに移っていく。経験的に認める。

 「人運」。各人が感性や行動で作り出す。

 彼に言わせると、ツキは循環するもので、使い切るとか、長期的にみると±ゼロ、ということはないそうだ。ツキは(今日は嫌なことばかりだ、というような)気分ではなく、身体が感じ取るエネルギーのようなもので、感性に従うことでやってくる。ビギナーズラックは感性しか頼るものがないから、当たるのだそうだ。

 ツキをひきよせるには、「考えすぎない」「一つのことに集中しない」「見返りを求めない」「遊び心を持つ」だそうだ。いずれも、【感性】を鈍らせない、または、せっかく感じた【感性】を、見過ごさない、ということに尽きる。

 そんなツキの話の中で、彼の文章に面白いものを見つけた。

 赤ん坊がお乳を求めて母親に抱きついてくる。母は子供を抱きしめることで、乳を与え、子を守りたいという使命感や喜びを感じるだろう。
 このとき、こういった自然な感情に「愛」という言葉を当てはめてしまうと、それからは「愛」という言葉に縛られていく。本当はそこに「愛」は無いかもしれない。単なる動物の本能でしかない。そこに人間は、耳あたりの良い言葉を当てはめることで、不用意に縛ることになってしまう(かもしれない)。だから、

「母親はなるべく子供と触れ合える距離にいるべきだ。子供には母の温かみが必要だ。母には乳がある。これは金では買えないし父にもない。」

これは、「愛があるから傍に居なさい」に代わるセリフ。こちらのほうが、自然だという意見だ。これは、「子供を演じる子ども」、の話にもどこか通じるものがあると思った。

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中村 睦
でんでん工房 代表

東京都杉並区生まれ。
ソフトウエアハウスで二十年ほど勤務した後独立。
現在は「でんでん工房」代表。
日本セキュリティ・マネジメント学会会員。
月に二回程度、お台場の日本科学未来館で展示解説を行っています。(担当は生命科学、地球とフロンティア、国際宇宙ステーション)
趣味はドライブと温泉。
著書に「お気に入りのubuntu」 「理系PC初心者のためのKNOPPIX活用法」など。
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